テレクラの紳士とよばれた俺の過去

俺は80年代の前半からテレクラを使い始めた。その当時のテレクラは鉄火場。鋭い目をギラギラさせたナンパ師がゴロゴロしていて、電話の早取りに全神経を集中させて来た。

そんな俺だが、テレクラ仲間の間ではテレクラ紳士と呼ばれる程、マナーには気を使っていた。

特にコールの取り過ぎには注意していた。何せ、当時のテレクラは女からの電話は早いもの勝ち。反射神経が鈍いオッサンには余りにも過酷で不利な状況。だから俺はコールを取りすぎたら他の常連に転送してやったりしていたな。

この様な事をしているとメリットも多かった。飯を奢ってくれたり、時にはソープを奢って貰ったりもした。そして喜ばれ尊敬される。こんなテレクラ仲間達の俺に対する扱いはとても丁寧だった。

最近はテレクラも下火だ。何せローカルテレクラが殆ど残っていないのだから、リンリンハウスは余りにも商売丸出しって感じでアットホームさが無い。

俺はテレクラに家族を求めているのかも知れないな。

まあ、最近では出会いカフェが昔のテレクラみたいな感じになって来ていると思う。常連同士の情報交換もあるし、この女はお茶専だからヤレない!などと安い居酒屋で語り合う。

もしかしたら、出会いカフェもこれからテレクラと同じ運命を辿るかもしれない。しかし、俺はテレクラを今でも愛している。とんでもないくらいに愛しているのだ。